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綾小路秀麿アイドルを語る

第2回 1995〜1996年のアイドル


(大三元ツモ夫)こんばんわ、大三元ツモ夫です。このたび、晴れて本コラムも定期連載される運びとなりました。第1回目の今回は、何をいまさらという感もありますが、1995〜1996年のアイドルシーンについて振り返ってみたいと思います。

(綾小路秀麿)「いやあ、ものの見事にわたしの予想は外れたねえ」

−先生、いきなり敗北を認めちゃうんですか?

「だって、外れは外れなんだもん、潔く認めなくっちゃあ」

−では先生、いったいどう外れたんでしょう?

「95年だけを見れば、確かにアイドルは復興の兆しを見せていたかもしれない。弊社のANNUAL REPORTを抜粋してみると、まず1995年は、

『94年後半からのアイドル復活傾向と新人アイドルの輩出で、95年は、久々にアイドルに勢いを感じた1年であった。アイドル復活の呼び水となったのは、篠原涼子、なかんずく、小室哲哉である。以降、95年にかけて内田有紀、観月ありさ、安室奈美恵、菅野美穂、瀬戸朝香、そして雛形あきこと、新旧織り交ぜて多くのアイドルが活躍。87年のおニャン子クラブ解散以来、長期低落傾向を続けてきたアイドル市場は、94年のCoCo解散を底に、ようやく上昇局面に入ったようだ。』

って書いたんだけど、1996年になるとね、

『女性アイドル全体を見ると、雛形あきこ、安室奈美恵、華原朋美、MAXなどの“小室系”が上位を独占しており、独立系の台頭が待たれるところだろう。また、今年は新人アイドルに昨年ほどの勢いが見られなかったことも気になる要素である。97年度は、ブームに乗った声優系が80年代のアイドル最盛期並みの間隔で新譜を続々とリリースし、アイドルの牙城を脅かすだろう。97年度はアイドルにとって正念場の一年となるかもしれない。』

ってニュアンスが変わるんだ。で、実際97年9月までの様子を見て見ると、SPEEDとかの沖縄組や、Every Little Thingみたいな再生組など、アイドルとロックのボーダーライン上の乗っている連中は頑張っているけど、昔みたいにピンで立てるのって、ほとんどいないでしょう」

−先生の嫌いなヒロスエは頑張ってますよ。オリコン1位だし。

「でも、最近思うんだけど、ヒロスエってアイドルとは言えないと思うな」

−そりゃまたDOーして(by桜っ子クラブさくら組with加藤紀子)ですか?

「70〜80年代のアイドルの定義は、『同世代の異性の支持を受けている若手歌手』だった。すなわち、女性アイドルは中高生の男の子の、ジャニーズは同じく女の子の支持のみで成り立っていたんだ。しかし、90年代になって、メガヒットは全てのジャンルにおいて若い女性(いわゆるF1層)の力によって作り出されるようになったんだ」

−ふーん、F1ねえ…

「例えば、”月9”のドラマなんて、一体誰が見ていると思う?月曜の夜9時にテレビの前に座ってドラマを見る暇があるのって、言っちゃ悪いけど”女・子供・老人”だけだよ。お父さんやお兄さんやキャリアなおねーさんは、その頃一生懸命肝臓の鍛練にいそしんでるんだから」

−でも、老人が”月9”見ますか?

「まず見ないよね。だから外す。子供も、男はこの年頃はドラマよりゲームだから、余り頼りにならない。結局、10代から30代の若い女で購買力のある層しか見ないわけだ。少なくともマーケティング的にはそう考えて間違いない。だから、アムロの「CAN YOU CELEBRATE?」が200万売れたとして、150万は女が買ってるね。F1層だけで100万行ってるんじゃないの」

−つまり、最近のレコード市場は完全に若い女性がリードしているというわけですね。

「そう、かつて石野真子のレコードの購買者の8割が男で、レイジーの消費者の9割が女で、それでも商売が成り立っていたという夢のような時代があったけど、今は、男はもちろん、女性歌手でも10代から30代の購買力のある女性に好まれないと売れない時代になったんだ。かつての山口百恵や松田聖子、中森明菜や小泉今日子みたいにね。」

−男の子はもう、だめになっちゃったんですか?

「基本的に男の子は小遣いをすべてゲームかアニメに突っ込んじゃうからね。レコード買ってくれないのよ(笑)。で、いわゆる70〜80年代型の”アイドル歌手”は死滅しちゃった。でも、プレイステーションがゲームを喋るようにしてくれたおかげで、”第三次声優ブーム”というありがたい現象が起こってくれたけどね」

−先生はこの”第三次声優ブーム”を、かつてのアイドル全盛期に比定されていますが…

「だって、林原めぐみなんて(個人的には好きじゃないけど)購買層の9割が若い男なのにオリコンのベスト3に入るんだよ、この世紀末に。得点だって1万点だよ、1万点。全盛期の松田聖子だってそんなに出せなかった数字なんだから。いやあ、あのチャートを見たときは、久々に涙が出たわ」

−物によっては男の子も頑張れるということですね?

「でも、今の若い野郎は”もののあはれ”がわかんないからね。ゲームかアニメ関連でないとちょっとね。要は、ゲームを1枚我慢してでも欲しいレコードしか買わんからね。その点女はゲームをやらないのが大半だから、ゲーム1枚の金でシングルなら6枚、アルバムでも2枚買えるからね。音楽業界としては女がメインターゲットになるのは仕方がないんでないの」

−ヒロスエが竹内まりやできたのはF1対策だったわけですね。

「そういうこと。今や消費文化は、完全にF1様に躍らされているのよね」(了)


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1997.9.5 Updated