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綾小路秀麿アイドルを語る

 第20回 アイドルの高齢化


−こんばんは、大三元ツモ夫です。ついに入梅しましたが、今回は6月号と言うことで、先生、今のところ月刊化宣言を守られていますねえ。

「ホントはブログでもっとこまめに、とも思うんだけどね。やっぱこっちの方が性にあうのかねえ」

−さて今回は、何故か木内美歩の『どうしようもない私がいる』がBGMに流れていますが、「アイドルの高齢化」について語っていただこうと思います。

「ほしのあきの三十路突入を筆頭に、弊社イチオシの相澤仁美とか、安田美沙子、熊田曜子、山本梓、さらにはエビもえとか、四捨五入すると30になるコが当たり前の時代になったもんね、最近は」

−ゴールデン・エイティーズ(1980年代のアイドル歌手全盛期)の頃、アイドルの活躍年齢は15〜19歳前後に限られていたことを考えると隔世の感があります。

「当時はハタチを超えると、大歌手や女優に転進するか、脱ぐか辞めるか、だったものね」

−21世紀になって、ど〜してアイドルの高齢化が進んだのですか?

「その前に、ちょっと確認しておきたいんだけど、高齢化が進んだのは、あくまでグラビアアイドルだけで、歌手アイドルや女優アイドルは、そんなに高齢化していないんだよね」

−あれっ、そうでしたっけ?

「例えば、モーニング娘。やAKB48などの歌手アイドルの主力は10代半ばの女子中高生中心で、これはゴールデン・エイティーズと変わらない」

−ああ、確かに言われてみれば…

「女優アイドルにしても、二十歳過ぎの上戸彩や石原さとみ、エリカ様やまさみ姫などが最高齢集団で、その下が18前後の堀北真希、黒木メイサ、戸田恵梨香、新垣結衣など。で、中二の志田未来が下限かな、今のところ」

−なるほど。内山理名とか田中麗奈とか、まだ27前後ですけど、もう誰も彼女たちのことをアイドルとは呼びませんものね。

「唯一、グラドルだけが突出して高齢化しているんだ」

−では、改めまして、どうしてグラドルは21世紀になって高齢化したのですか?

「1980年代半ばまで、アイドルはマルチタレントだった。山口百恵にしろ松田聖子にしろ小泉今日子にしろ、歌手・女優・グラドルいずれの側面も持っていた」

−しかし、1980年代後半から、アイドルが専門化してきました。

「歌手だけ、とか、グラビアだけ、とか、女優だけ、とかね」

−アイドルが専門化したのはどうしてですか?

「まあ、『ファミコン』と『モモコ』のせいかな」

−ファミコン出現は1983年でした。

「アイドルは当時、極めて対象年齢層が絞られた商品だったんだ。女性アイドルファンの8割が男子中高生で、男性アイドルファンの9割が女子中高生、といった具合に。で、ファミコンの出現により、それまでアイドルのレコードに流れていた男子中高生のお小遣いがファミコンにとられちゃった。おかげで、女性アイドル歌謡が売れなくなり、1994年の滅亡につながった」

−アイドルが女性に取られる原因にもなりましたね。

「相対的にファミコン人口が少なかった女子は、引き続き(男性)アイドルのレコードを買ってくれていたから、ジャニーズを中心とする男性アイドル時代は現代に至るまで続いている。で、中には、安室奈美恵や浜崎あゆみなど、女性ファンが付いた女性アイドルもいて、見かけはアイドルとして大成した」

−女性アイドルも、男子より女子にコビを売る時代になったわけですね。

「で、コアな女性アイドル歌手マニアは、現在声優に逃げ込んでいて、それが最近のアニソンのブレイクにつながっているわけだ」

−なるほど。それでは次に「モモコ」ですが、これは学研の雑誌『Momoco』のことですよね?

「そう。モモコが1983年に創刊されるまでは、アイドルはスター誕生やホリプロ・タレントスカウトキャラバンみたいに、あくまで歌手であることを求められていた。しかしモモコクラブは、誌上で写真だけでオーディションを行うことにより、アイドルと歌手を切り離したんだ」

−グラビア専門アイドルの出現のきっかけとなったわけですね。

「そう、アイドルの多様化の始まりだね」

−ファミコンの出現もモモコの創刊も、奇しくも1983年。確かこの年は「花の82年組」が一斉にブレイクし、アイドルにおける「ゴールデン・エイティーズ」の幕開けを飾る記念すべき年だったと記憶していますが…

「そう、絶頂の陰で滅びの種もまた芽を出していたんだね」

−で、こうして誕生したグラビア専門アイドルが、今度は高齢化したのは、やはり、1999年の児童ポルノ法施行のせいでしょうか。

「そうだね。施行当初は過剰に反応しちゃって、18歳未満の水着グラビアがかなり自主規制されちゃった。それで法律に引っかからない18歳以上のグラドルが求められるようになって、今日の高齢化への流れがいつの間にかできちゃった」

−「着エロ」もこの法律の副産物ですものねえ。

「必要は発明の母、ってか(笑)」

−でも先生、疑問があります。グラドルについては高齢化の理由は納得できましたが、歌手アイドルと女優アイドルは、どうして高齢化していないのですか?

「まず女優については、テレビドラマの時代になってから半世紀ずっとスキームが変わらないからだね。中高生でデビューして二十歳を過ぎるまでの女優はアイドルと思うのがお約束というか。で、歌手アイドルなんだけど、これは仕掛けの問題だね。秋元大先生やつんく先生がゴールデン・エイティーズのカリカチュアをやっているだけの話だと思うよ」

−なんか、身もフタもないような…

「更に言うと、グラドルファンの中心は、いわゆるSPA!世代である20代・30代下流男子で、グラドルに、そうだね、地元のキャバクラ嬢のようなもの(爆)を求めている。だから、ファンと同世代かちょっと下の、四捨五入して30になるくらいのコが求められているんだね」

−なるほど、よぉく分かりました。

「まあ、今回はかなり間を飛ばしちゃった部分もあるけど、ちゃんと書くとトンデモなく長くなるので、もっと詳しく知りたい方は、過去18回分と付録の歴史年表をよく読んで下さいね」

−というわけで、また次回です。

「来月もお会いできるといいですね」


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2007.6.24 Updated